休眠スタッフの掘り起こしが進まないのは、優先度の問題ではありません

データベースには過去に登録したスタッフが何百人も眠っている。連絡すれば動く人はいるはずだ。それは分かっているのに、今月も掘り起こしに手をつけられていない——そんな状態が続いていないでしょうか。

元人材派遣営業だった弊社代表に、当時の掘り起こしの実態を聞きました。1回につき20〜30件へ架電し、つながるのは20%ほど。本人の言葉では「ほぼ出ない」。そして着手するのは「暇な時」と「派遣媒体から応募が来ない時」だけでした。

この記事では、掘り起こしが後回しになるのは担当者の意識の問題ではなく仕事の構造の問題であること、人が不通の電話をかけ続けると何が失われるか、そしてルールを決めて機械に回させると何が変わるかを、一次情報にもとづいて整理します。

よくある誤解:「優先度が低いから進まない」

掘り起こしが進まない理由を、現場の優先度づけのせいにする説明をよく見かけます。新規開拓や面談を優先するから、掘り起こしが後回しになる、という説明です。

しかし実態は少し違います。優先度を上げれば進むのなら、意識を変えれば解決するはずです。実際には、意識ではなく着手できる条件が問題でした。

掘り起こしはやっていました。ただ、やるのは「暇な時」と「派遣媒体から応募が来ない時」だけでした。(元人材派遣営業だった弊社代表・2026年8月のヒアリングより)

つまり掘り起こしは、計画された業務ではなく、余力が出たときの穴埋め作業でした。余力はコントロールできません。だから掘り起こしは、担当者がどれだけ重要だと思っていても、構造上いつまでも安定しないのです。

柱1: なぜ掘り起こしは「暇な時の仕事」になるのか

同じ代表への聞き取りで、当時の1日の架電量も確認しました。数字を並べると、掘り起こしが押し出される理由が見えてきます。

  • 新規開拓の架電: 1日200件。アポになるのは2%(1日約4件、196件は不発)
  • 面談: 1日2〜4人。接続率は80%
  • 面談1件の通話時間: 10〜30分
  • 面談後の記録づくり(メモ整理・入力): 1件あたり10〜15分
  • 掘り起こし: 1回につき20〜30件、接続率20%

面談は1件あたり通話と記録を合わせて20〜45分かかります。1日4人なら1.3〜3.0時間です。ここに新規開拓の200件が乗ります。

重要なのは、掘り起こし以外の仕事にはすべて相手と締め切りがついていることです。面談は候補者との約束です。派遣先からの問い合わせにも期限があります。一方、掘り起こしを今日やらなくても、今日誰にも怒られません。

締め切りのある仕事と、締め切りのない仕事が同じ人の1日に同居すると、締め切りのない方が後ろへ回ります。掘り起こしが「暇な時の仕事」になるのは、担当者の性格ではなく、この配置の結果です。

同じ構造は就業後フォローにも出ていました。実施できていたのは60〜70%。契約更新の確認については「ある、かなりの確率で忘れる」という回答でした。人の余力に依存する仕事は、種類を問わず同じように落ちます。

柱2: つながらない電話を人がかけ続けるコスト

掘り起こしの接続率は20%でした。20件かけて、話せるのは4人ほどです。残りの16件は不在・留守番電話・不通で終わります。

この16件は、単に無駄というだけではありません。人の時間の使われ方として、二重に高くつきます。

  • 1件ごとに番号を確認し、発信し、コール音を聞き、切って記録する。この動作が積み上がる
  • 成果が出ないまま同じ動作を繰り返すため、精神的に続けにくい
  • 結果として「今日はここまで」で止まり、リストの後半に手が届かない
  • 止まった位置と再開の位置が担当者の記憶に依存し、次回に引き継がれない

さらに、この時間は面談や新規開拓の時間と同じ財布から出ています。掘り起こしに使った時間は、そのまま面談(1件20〜45分)や新規開拓の架電から差し引かれます。担当者が掘り起こしをためらうのは、合理的な判断でもあるのです。

そして人がやめてしまう理由は、コストだけではありません。代表が当時いちばんきつかったと語ったのは、掘り起こしそのものではなく、その先で起きる連鎖でした。

派遣スタッフが飛ぶ、退職する、代替要員を探す、派遣先に怒られる。この連鎖が、いちばん精神的にこたえました。(同ヒアリングより)

代替要員を探す局面こそ、休眠スタッフへの連絡がいちばん効くタイミングです。ところがその局面は、担当者にいちばん余力がない局面でもあります。必要なときに掘り起こしができない——これが、余力頼みの運用のいちばん痛いところです。

柱3: ルールを決めて機械に回させると何が変わるか

掘り起こしが余力の穴埋めである以上、余力を増やす方向の改善には限界があります。変えるべきは、着手の条件です。「余力が出たらやる」から「決めた条件で動く」に置き換えます。

ALICE の掘り起こし機能は、この置き換えを行うものです。実装済みの動きは次のとおりです。

  • 曜日・時間帯・1人あたりの試行回数の上限を設定し、その範囲でAIが自動架電する
  • つながったら、まず今の就業状況を確認する
  • 求職中であれば案件を提示し、応募する意思があるかどうかまで聞く
  • 連絡停止(DNC)の意思表示を尊重し、以後かけない
  • 誰にいつかけてどうだったかを、管理画面の記録として残す

ここで変わるのは「かける速さ」だけではありません。変わるのは3つです。

1つ目は、着手のきっかけが余力から設定に移ることです。設定した曜日と時間帯になれば動きます。忙しい週も動きます。代替要員を探している最中でも動きます。

2つ目は、不通の16件が人の時間を使わなくなることです。つながらなかった分は記録として残り、上限の範囲で次の試行に回ります。担当者は、つながった4人の内容を見るところから始められます。

3つ目は、止まった位置が記録に残ることです。誰にいつかけて、どうだったか。担当者の記憶ではなく管理画面に残るため、次の回が前回の続きから始まります。

料金の面でも、この使い方に合わせています。ALICE の掘り起こしと受電は、月30件までAI利用料が無料です。31件目から1件300円(つながった通話のみ)。不在・不通・留守番電話は、AI利用料も通話料も0円です。基本料金は月1,980円(税込)、初期費用と解約金はありません。通話料は1分28円で、キャリアの実費をそのままご請求します。

この月30件という枠は、先ほどの「1回につき20〜30件」という実態と重なります。まずは今までどおりの1回分を、人ではなく設定で回してみる。そこから始められる価格にしてあります。

よくある失敗:「試したつもり」で終わらせない

掘り起こしを自動化するとき、つまずきやすい点がいくつかあります。私たち自身が、開発の過程で似た失敗をしています。

1つ目は、机の上の確認で満足してしまうことです。私たちは机上の敵対的レビューを16周行い、不具合0件でした。ところが実際に音声を通したところ、5件の不具合が出ました。

2つ目は、裏側のテストが通っていることを完成と勘違いすることです。バックエンドのテストが2,000件すべて緑でも、画面から使えませんでした。投入直後に4件の不具合が露見しています。

3つ目は、電話の経路を分けずに機能を足すことです。就業後フォローで面談用の番号から発信したところ、スタッフのかけ直しが面談の受電フローに乗り、就業中のスタッフに面談の台本で話しかける危険がありました。私たちはこの経路を設計判断として停止し、フォローは電話を使わずメールやLINEでURLを送る方式に変えています。

4つ目は、設定を作り込みすぎることです。上限や曜日を細かく詰めるほど、運用が始まりません。現場が求める条件を代表はこう表現していました。

簡単、自動、精度が高い。(同ヒアリングより)

掘り起こしで最初に決めるべきは、かける曜日・時間帯・1人あたり何回までかけるか。この3つで足ります。

なお、ALICE は現在まだ利用テナントがありません。導入企業の削減率や定着率の改善といった数字は、この記事には一切書いていません。書けるようになった時点で、実測として公開します。

まとめ

  • 掘り起こしが進まないのは、優先度づけの問題ではなく、締め切りのない仕事が余力頼みになる構造の問題です
  • 元人材派遣営業だった弊社代表の実体験では、掘り起こしは1回20〜30件・接続率20%・着手は「暇な時」と「応募が来ない時」だけでした
  • 接続20%ということは、20件のうち16件は人が不在応答を受け取るために使われています
  • 必要なのは着手条件の置き換えです。余力ではなく、曜日・時間帯・試行上限という設定で動かします
  • ALICE の掘り起こしは月30件までAI利用料が無料で、これは1回分の架電量とほぼ同じ規模です

こんなお悩みがあればご相談ください

次の3つのうち1つでも当てはまる方は、一度お話を聞かせてください。

  • 登録スタッフのリストは持っているが、掘り起こしに着手できたのが今期は数えるほどしかない
  • 代替要員を急いで探す場面に限って、休眠スタッフへ連絡する時間が取れない
  • 前回どこまでかけたかが担当者の記憶にしかなく、引き継ぎのたびに最初からやり直している

初期費用0円・解約金なし、基本料金は月1,980円(税込)です。掘り起こしは月30件までAI利用料がかかりません。まずは1回分の架電を設定で回すところから、お試しいただけます。デモのご依頼・ご質問は、お問い合わせフォームからお寄せください。